マイセン磁器の品番の見方を徹底解説

17世紀頃の西洋では、東洋から伝わった磁器は「白い金」とも称され、
非常に高い価値を持っていました。
各地で白磁の製造が試みられる中、最初に成功したのが、
ドイツ・ザクセン州のマイセン地方にある名窯「マイセン」です。

第二次世界大戦後、マイセン窯は国営化され、
「国立マイセン磁器制作所」として、今も世界中のファンに愛されています。
約300年にわたり、23万種類以上の作品が制作されており、
膨大なアイテム管理のため、各製品の底面には手書きや刻印による番号が記載されています。

マイセンの番号の構成

基本的な構成は以下のとおりです：

• ○○○○○○：6桁の柄ナンバー（デザイン番号）
• □□□□：2～4桁の絵付け職人番号
• △△△△△：3～5桁のフォームナンバー（形状番号）

表記の例：

• 手書きの赤い文字：柄ナンバー / 職人番号（例：020610 / 243）
• 刻印：フォームナンバー（例：00582）

実際の製品で見てみましょう

今回は「マイセンのバラ（イエロー） ティー/コーヒー兼用カップ＆ソーサー」を例に解説します。

上記画像は、弊社販売ページに掲載されている製品です。
赤ラインの部分に注目すると、「020610」が柄ナンバー、
「00582」がセット全体の品番であることが確認できます。

画像を見ると、手書きの赤文字と刻印が見受けられます。
カップには「00572」、ソーサーには「562」（＝「00562」の省略形）の刻印がありますが、
セットとしての品番「00582」はどこにも書かれていません。
これは以下のように構成されているためです：

• カップのフォームナンバー：00572
• ソーサーのフォームナンバー：00562（頭の「00」が省略される場合あり）
• カップ＆ソーサーセットの品番：00582

このパターンは、他の製品にも確認されています。

別の例：朱金オニオン ティーカップ＆ソーサー

上記は「朱金オニオン ティーカップ＆ソーサー」。
公式にはラインアップされていませんが、「ブルーオニオン」と同じ型を使用しています。
公式情報ではセット品番「00633」と記載されている一方で、
実物ではカップが「00623」、ソーサーが「00613」となっており、
やはり組み合わせで1つの品番を構成しているとわかります。

まとめ

マイセンの品番には独自の規則がありますが、
すべての製品に一律で当てはまるわけではありません。
特に、絵付けのない製品やシリーズによっては、
柄ナンバーや職人番号が記載されていない場合もあります。

また、同じ柄であっても複数の表記パターンが存在するため、
製品ごとに注意して確認する必要があります。

今回は「マイセン磁器の品番の読み方」についてご紹介しました。
次回は、他のヨーロッパ食器ブランドについても解説していく予定ですので、どうぞお楽しみに。